あの時からずっと、君は俺の好きな人。



「こんなとこにいたの。探したよ」

いきなり声をかけられたので、私はびくりとする。しかしその声がーー。

大好きなあの人の声だったので、私は恐る恐るながらもうなだれていた首を上げた。

しゃがむ私の頭上には、水野くんが心配そうな顔をして見下ろしていた。


「み……水野くん。どうしてここに? 新幹線、乗ったんじゃなかったの?」


すると彼は呆れたように小さくため息をついた。


「いやそれはこっちの台詞だよ。1回新幹線に乗ったんだけど、窓の外でホームに残ってる吉崎さんが見えて。俺慌てて出てきたんだよ」

「なんで……」

「え? だって何かあったのかと思ってさ。心配じゃん。つーか、俺はたまたま気づいたから出てきたけど、みんなだって気づいたら来たと思うよ」

「…………」

「つーかさー、前に言ったでしょ。なんか心配なことがあったら俺に言ってって。新幹線に乗れないなら言ってくれよ、もう」
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