あの時からずっと、君は俺の好きな人。
そして水野くんははっきりと私にこう告げた。
「俺は6年前のあの時、出血多量で死んだんだ」
ーー出血多量で。
このミサンガに付いているのは、その際の血なのだろうか。
水野くんのご両親らしき人の名前も被害者名簿にあった。
「じゃあ、水野くんが家族を亡くしたって言う噂は……」
「家族どころじゃなく、俺も死んでるんだけどね。浩輝に家のことを聞かれた時に「俺んち1人だから」って適当に説明したのを、誰かに聞かれてたんだと思う。それでそういう風に解釈されたんだね」
水野くんと私は一緒なんだと思っていた。ーーだけど全然違っていた。
「死ぬ直前に、俺は腕につけていた君のミサンガに願ったんだ。この女の子が助かりますように。これからも笑って生きられますようにって。事故の衝撃で切れそうになっていたミサンガは、俺が死ぬ直前に切れた……ような気がする。よく覚えてない。でも、切れてるね」