あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「マジですか……」

「ご、ごめん! 私のせいなんだ! 立候補いなくてくじ引きになったから、藍の分も私が引いたら、見事に当たっちゃって……」

「なるほど……」


水泳大会当日まで、選手は放課後残って練習するし、係もそれに付き合わなければならない。

かなり面倒な係だと1年生の時から有名だったので、みんなが敬遠するのも無理はない。

私だって、出来ればやりたくないけれどなってしまったものは仕方ない。くじ引きだし、美結は悪くない。


「まあ、いいよ。ちゃんとやるよ、私」

「ほんとに申し訳ないです……」

「今年もプールには入らないつもりだったし、係くらいやった方がいい気もするしね」

「さっすが藍! そう言ってくれると思ってました!」


私が承諾すると、手の平を返したように悪びれもせず持ち上げてくる美結。調子に乗るな、と小さく言って私はふざけて美結を小突いた。
< 22 / 229 >

この作品をシェア

pagetop