あの時からずっと、君は俺の好きな人。
車内が突然大きくぐらついた。

そして次の瞬間、体がふわりと浮いたかと思ったら、ジェットコースターのような勢いで急降下しているような感覚に陥った。

周囲から悲鳴のような声も聞こえてきた。

新幹線の中での私の記憶はーーここまで。これ以上は、何があったかどうしても思い出せない。すっぽりと抜け落ちていた。

気がついた時には、私は病院のベッドの上だった。

すでにそこは、パパとママは存在しない世界だった。
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