あの時からずっと、君は俺の好きな人。
*
「1150円でーす」
レジを打って出た金額を、常連のおばあちゃんに伝えると、おばあちゃんはゆっくりと財布を開ける。私はぼんやりとそれを見守っていた。
水泳大会の練習が終わって帰宅すると、すでに17時を回っていてパン屋はかきいれ時だった。なっちゃんにすぐにお店の手伝いを頼まれた。
ーーなんだかモヤモヤする。
水泳大会の練習が始まって、3日が経った。選手に選ばれたみんなは休まずに練習に参加してくれていて、徐々にタイムも上がってきている。
特に水野くんは、係の仕事も並行してやっているのに、練習も一生懸命取り組んでいる。
ーー心から楽しんでいる、というような無邪気な表情で。
あんなに楽しそうに大会に取り組んでいる、水野くんの相棒が私なんかでいいんだろうか。
みんなは水野くんの「せっかくやるんなら、楽しんで頑張ろーよ」という一言に、完全に同意していた。
私だって、確かにそうだなと頭では納得出来る。
しかし私はもう、物事を心から楽しんだり、頑張ったりはできない。
「1150円でーす」
レジを打って出た金額を、常連のおばあちゃんに伝えると、おばあちゃんはゆっくりと財布を開ける。私はぼんやりとそれを見守っていた。
水泳大会の練習が終わって帰宅すると、すでに17時を回っていてパン屋はかきいれ時だった。なっちゃんにすぐにお店の手伝いを頼まれた。
ーーなんだかモヤモヤする。
水泳大会の練習が始まって、3日が経った。選手に選ばれたみんなは休まずに練習に参加してくれていて、徐々にタイムも上がってきている。
特に水野くんは、係の仕事も並行してやっているのに、練習も一生懸命取り組んでいる。
ーー心から楽しんでいる、というような無邪気な表情で。
あんなに楽しそうに大会に取り組んでいる、水野くんの相棒が私なんかでいいんだろうか。
みんなは水野くんの「せっかくやるんなら、楽しんで頑張ろーよ」という一言に、完全に同意していた。
私だって、確かにそうだなと頭では納得出来る。
しかし私はもう、物事を心から楽しんだり、頑張ったりはできない。