あの時からずっと、君は俺の好きな人。



「……あはは。ご、ごめんね。えーと……」

「あ、水野です」

「水野くん、ね。藍を助けてくれたのに、勘違いしちゃって」

「いえ、いいっすよ」


申し訳なさそうに言うなっちゃんだったが、特に気にした様子もなく水野くんは微笑んだ。


「藍と水泳大会の係も一緒にやってくれてるんだって? がんばってね。そして藍のことよろしくね」

「はい。吉崎さんにはお世話になってます。頑張ります」


あの後、私の危機を水野くんが救ったことを、興奮するなっちゃんにどうにかして私はきちんと説明できた。

ついでに水泳大会の係も一緒にやっていることも伝えた。

真実を知ったなっちゃんは、謝罪とお礼を兼ねて家でお茶でも飲んでいって、と水野くんを誘った。

「え、いいんすか?」と水野くんは素直になっちゃんの厚意を受け入れた。

そしてちょうどお客さんもいなかったので、私たち3人は住居スペースのリビングに入った。


「よかったらうちの焼き菓子もご馳走になってね。それじゃ、私は一旦お店に戻るから、ゆっくりしていってね」
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