あの時からずっと、君は俺の好きな人。
想像だもしていなかった水野くんの言葉。

誰が、誰に人気があるって……?


「嘘だ。だって男子に話しかけられたことなんて、ほとんどないよ……?」

「ちょっと近寄り難くて、冷めてそうなとこがいいいって言ってたよ。クールビューティーだとか。高嶺の花的な?」

「くーるびゅーてぃー、たかねのはな……」

「確かにぱっと見だと、三上さんとか美結ちゃんとかが目立つけどさ。吉崎さん、顔の作りは綺麗だし」


ーー綺麗。

男の子に綺麗なんて生まれて初めて言われて、私は珍しくうろたえた。


「み、水野くんもそう思うの?」


そして咄嗟にそう聞いてしまった。すると水野くんは。


「かわいい吉崎さんに触ったなんて知られたら、いろんな男に恨まれそうで怖いっすわ」


無邪気に笑って、冗談交じりに言う。しかし、今度はかわいいと来た。

すごいなあ、なんでそんなこと素直に言えるんだ。

こんなかっこいい人に、こんなことを言われてしまえば、9割がたの女子は堕ちてしまうだろう。
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