あの時からずっと、君は俺の好きな人。
そして私のその態度に、彼は自分の言っていることが正しいと確信したようだった。


「……なんかごめんね。でも、やっぱりそうなんだね」

「どうしてそう思ったの」

「見ればわかるんだよ」


水野くんは瞳に力を込めて、断定するように言った。

ーーそれ以上言わないで。特に水野くんののような真っ直ぐな人には、知られたくないのに。幻滅されそうで。


「ーー仮にそうだとしてもさ。特に迷惑かけているわけじゃないし、別に良くない?」


私はつっけんどんに言う。すると水野くんは私を見つめる瞳に強い光を湛えた。


「でも……すごく苦しそうに見える」


ゆっくりと切なそうに彼が言う。その言葉が私に伝わった瞬間。

ーー私の両目から涙がこぼれ落ちてきた。


「え……あれ……?」


自分でも意味がわからない。私なんで泣いてるんだろう。拭っても拭っても、涙はとめどなく溢れ出ていく。
< 71 / 229 >

この作品をシェア

pagetop