あの時からずっと、君は俺の好きな人。
加藤さんの隣にいる、これまた彼女と同じタイプの女子がうっとりした様子で言う。
ーーまあ、確かにあの3人はかっこいいよなあ。おまけに水泳大会の練習もしっかり参加してくれていて、性格もいい。
そんな風に私が他人事のように思っていると。
「あ、でも知ってるー? 水野くんのこと」
加藤さんが意味深に言うので、私は1限目の化学の教科書を机に置きながら、耳をそばだてた。
「え、なになに?」
「水野くん、家族みんな亡くしてるんだって」
ーー聞いた瞬間、びくんと全身が震えた。
なんだって……?
「えー!? うっそお!? なんで!?」
「さあ、詳しくは知らないけどね。事故か何かじゃないかな。前に誰かが話してるの聞いちゃった」
「へー! 水野くん明るいのに、そんなふうに見えないね! 」
ーー家族全員、亡くなっている。
一瞬、彼の家族も私が遭った新幹線の脱線事故の被害者なのではないかとも思ったが、それは違うだろう。
ーーまあ、確かにあの3人はかっこいいよなあ。おまけに水泳大会の練習もしっかり参加してくれていて、性格もいい。
そんな風に私が他人事のように思っていると。
「あ、でも知ってるー? 水野くんのこと」
加藤さんが意味深に言うので、私は1限目の化学の教科書を机に置きながら、耳をそばだてた。
「え、なになに?」
「水野くん、家族みんな亡くしてるんだって」
ーー聞いた瞬間、びくんと全身が震えた。
なんだって……?
「えー!? うっそお!? なんで!?」
「さあ、詳しくは知らないけどね。事故か何かじゃないかな。前に誰かが話してるの聞いちゃった」
「へー! 水野くん明るいのに、そんなふうに見えないね! 」
ーー家族全員、亡くなっている。
一瞬、彼の家族も私が遭った新幹線の脱線事故の被害者なのではないかとも思ったが、それは違うだろう。