あの時からずっと、君は俺の好きな人。
自分を守る?
「吉崎さんがすごく辛そうに見えるのは、家族を失って悲しいって気持ちを、押し殺してるからなんだろうなって」
ーー家族を失った悲しみ。
私は普段パパやママのことをなるべく考えないようにしている。写真も見ないようにしている。
ーーそんな存在、私には最初からいなかった。2人のことを思い出そうとしてしまう瞬間に、無理にそう思いこもうとすらしている。
だって、あんなに大好きなパパとママが昔はいたけれど、もう永遠に会えないなんていう残酷な真実を、認めたくない。
ーーそうか。それって自分を守ろうとしてるってことなんだ。悲しみが溢れてしまわないように。
「ーーごめん。不用意に「なんで感情殺してるの?」なんて聞いて。本当に辛そうに見えたから、つい聞いちゃったんだ。でも、辛くてももっと辛いことを吉崎さんが必死でこらえてるのに。分かってなくて、ごめん」
そう言うと水野くんはふと倉庫の扉の方を見た。
「吉崎さんがすごく辛そうに見えるのは、家族を失って悲しいって気持ちを、押し殺してるからなんだろうなって」
ーー家族を失った悲しみ。
私は普段パパやママのことをなるべく考えないようにしている。写真も見ないようにしている。
ーーそんな存在、私には最初からいなかった。2人のことを思い出そうとしてしまう瞬間に、無理にそう思いこもうとすらしている。
だって、あんなに大好きなパパとママが昔はいたけれど、もう永遠に会えないなんていう残酷な真実を、認めたくない。
ーーそうか。それって自分を守ろうとしてるってことなんだ。悲しみが溢れてしまわないように。
「ーーごめん。不用意に「なんで感情殺してるの?」なんて聞いて。本当に辛そうに見えたから、つい聞いちゃったんだ。でも、辛くてももっと辛いことを吉崎さんが必死でこらえてるのに。分かってなくて、ごめん」
そう言うと水野くんはふと倉庫の扉の方を見た。