アーティスティックな男の子。
「……。」
『ハル君!!』
「…あ?…ああ…何だ、ゆきか。」
…ええ??どしたの…?
『…なんかげっそりしてるけど。』
「…別に…。…つかゆきの隣の男、誰?」
『ああ、えーと』
「秋月柊です。音楽学科で専門はヴォーカルです。ゆきさんとは同じクラスです。…彼は?」
『えーと』
「俺は結城悠です。ゆきの一個下です。総合アーティスト学科で専門はメイクアップアーティストです。」
『…ッハル君は!私のお肌のお手入れに尽力してくれる人で!!柊は!私の作曲作りに尽力してくれる人!!』
「通りで肌が綺麗だと。」
「通りで見たことある顔だと。」
「…つまり、」
「…お互いゆきに迷惑かけられてるってことか。」
「そうなりますね。」
『オイ。』
乏すんじゃないよ、二人共。
プップー
車の音がした…。
「テメーら、さっさと校門から出ねーと罰則受けるぞ〜!」
窓から顔出して手を出して大声で叫ぶ秋。
『秋!!ただいまー!!!!』
「ん。おかえり。」
ハグ〜。んふふ。
「…なあ、アンタ。」
「…何ですか?」
「……いや、なんでもない。」
「オイテメェら、家まで送るぞ。」
「いえ、私は…」
「ありがとうございます、秋さん。」
「……是非、お願いします。」
『あ、二人とも乗る感じ?じゃあ私は助手席へ。』
「あ、そーいや後ろ席にスーパーの袋が。」
『ハイハイ持ってく持ってく。…突撃!今日の晩御飯!!』
マイクと見せかける手。
「油淋鶏と麻婆豆腐。」
『なんと本日は中華なのか!!!!!すんばらしいね!!!』
「…秋さんって料理作るのですね。」
「ん?柊、意外か?」
「ええまあ…。」
「まあそーだろーな。俺もここ一年ぐらいだしな、料理始めたの。」
「…一年で油淋鶏作れんのか。」
「まあ、ゆきが中華好きだからな。」
『イェイ☆』
「辛ぇの食えんのか?」
『ぶっぶー。』
「…麻婆豆腐って辛くねぇ?」
『あんまり辛くない麻婆豆腐なのですよ、ハル君。』
「…それ麻婆豆腐、なのか…?」
『あ、そうだ、柊。明日は予告通りお休みします。』
「予告も何も基本毎日のように休んでるのであんまり意味ないと思います。」
「…授業には出ろよ。」
『専科と専科に関する授業は出てる。』
…つまりはそういうことです。