アーティスティックな男の子。
『えっっ…。』
それ彼女さん可哀想。
『てかカノジョいたことあるんだ。あんまりいる雰囲気無かったけど。』
「…私と妹どっちが大切なの!って。」
『ああ、言われたんだねぇ。』
声真似、乙。
「そりゃ好きでもねぇオンナと妹どっちが大切つったら可愛い可愛い妹だよなァ?」
んな悪い顔で言われても。
『…さすがシスコン!今日も輝いてるわあ!』
「ブラコンに言われたくねぇよ。」
『てへっ☆』
「“てへ☆”じゃねーよ。…つかお前、彼氏いたことあんの?」
『んー…無いねぇ!』
「だろうと思った。」
『二次元には好きな人…つか推しが沢山いるけどさあ…こう…リアルに興味が無いというか…なんというか…。』
「まあそうだよな。現に、あんなに周りに美形いんのに、美形だとも思わない鈍感さ。」
『いや美形だとは思うよ?』
「美形だなー、で終わるパターンだろ。」
『え、それ以外何があるの?』
「…アイツらが可哀想だな、ホント。…まあ俺が悪いんだけど。」
『え?』
「いや、過保護に育て過ぎたなあと思って。」
『そう?』
「…ちっせー頃から俺を見てんだ。そりゃ美形だなーで終わるよな…。」
『さり気なく自分イケメンみたいなこと言った。ま、事実だけど。』
「自覚はしてんだよ、俺がイケメンの部類に入んのは。…でもお前もだろ?」
『うん。美少女の部類に入ってると思ってる←』
「自信満々に答えやがって。」
『ふふふ、人の事言えないよね?』
「…っし、行くか。」
『そだね。ご馳走様でしたーっ!!』
記念写真も撮りつつ、撤退。
『うわ、これは綺麗。』
「また圧巻だな。こりゃ見事。」
たくさんの紫陽花に囲まれた場所。
空もちょっと幻想的な感じ。
カシャカシャッ
『…うん、綺麗だ。』
これなら、書けそう。
柊のイメージにピッタリの色。
『じゃ、ちょっと暇しててね。』
「おーよ。」
『…よし。…紫と青…若干紅の色も…。』
ああ、ここに来てよかった。
どんどん、湧いてくる。
「…ゆき。そろそろ暗くなってきたぞ。」
『はーい。』
「おお、満足そうな顔しやがって。」
『まーね。大体の構造は出来た。』
おっと、夕焼けの写真…っと。
カシャ