アーティスティックな男の子。
「…じゃあ、戻ろっか。」
パチンッ
理事長先生は微笑みながら指を鳴らした。
『…やっぱり詐欺なんじゃないかと、今でも思うんだけど。』
「そんなことないよ。僕は嘘ついたことは無いからね。」
『確かにそうだけど。』
「ゆきー!!!!!!!!!!」
『…おおう、秋が凄い。』
「僕も今日は泊まろうかな。」
『え"っ』
「温泉上がりのゆきの浴衣姿、見たいしね。」
『強制帰還!!!!』
「ふふ、じゃあまた明日ね。」
優雅に歩く理事長先生。
『…ホント、なんなんだろう。』
「ゆき!」
『秋。ごめんねぇ。』
「探した。」
『ごめんごめん。今理事長先生がいたもんだから。』
「は?何で?」
『私も聞きたい切実に。』
「…ま、いいや。よし、ゆき。旅館に行くぞー。」
『やったー!!!』
秋と温泉帰りにいちご牛乳を飲み、まったりとゆっくりと部屋に戻った。
「…旅館の飯、美味かったな…。」
しみじみと言う、秋。
『ッッそれな!』
繰り返しこの話ばっかだけど…だってさあ、
旅館飯マジで美味かったんだもん。
種類も豊富だし特にあの天ぷらと真鯛の煮付けね。
『これほど日本人で良かったってことはないよね。』
「わかる。ここにして良かったわ。」
『これから常連さんになろう…。』
もうここに居候したい。
「あー、ゆき。明日そのまんま学校に直行だよな。」
『うん。色々することあるし。』
「じゃ、とっとと寝るか。明日も早いぞー。」
『うぇーい。』
ガラガラガラ
『わーい布団ふt…ッ』
「布団ふt…ッ」
『「Oh...」』
ピッタリとくっついた布団たち。
『…記念に写真、撮っとく?』
「止めろよ、馬鹿にされんだろーが。」
『「……。」』
『…とりあえず、もう遅いから寝よっか。』
「…だな。」
布団の真相はお任せします。
『みんなおっはよー!葉山ゆき、参上!!』
今日は一限から授業に参加だよ☆
「うるせぇ。」
パシンッ
『痛い。』
秋に叩かれた。
「…どんな心境の変化ですか?ゆきさん。」
『おはよう、柊…そろそろ出ないと単位が危ぶまれるって通達が…。』
「そうだろうと思いました。」