アーティスティックな男の子。
『ふんふふーん♪』
朝から色々な人に写真あげて、お礼にお菓子貰って、ウキウキ気分の葉山ゆきです。
瑞希には新作ワンピースを貰った。
…たかが写真三、四枚にワンピースは如何なものかと思うんだけどね。有難く使わせてもらうよね。
「ゆーきちゃん!」
チャラっとしたヤツ、登場。
『あ、来た来た、幸樹!』
みんなから人気な幸樹は絶対に会えない。
どこかしらどっかにいるから、すれ違う率半端ない。
だから、とりあえず教室で待っとけば向こうから来るということを信じて待ってたら、
来たね、うん。
『はい写真。』
「ありがとー!はいコレ。」
『ん?』
「オススメの和菓子屋さんの三色団子とみたらし団子。超オススメ!」
『わー!ありがとー!大事に頂きます…。そーいやさ、雪音先輩見なかった?中々渡してないんだよねー。』
「あー、あの人結構レアキャラなんだよねー!今のこの時間は古校舎の庭の木陰で寝てるはず〜!」
『相変わらずの情報網!ありがとう!』
「じゃ、またね〜!」
『はーい!』
よひ、じゃあ行くか。
古校舎…久しぶりに来るんだけど、なんか趣あるなあ。
確か庭の木陰とか言ってたよね。
…あ、居た。
おおう、寝てる。寝てるわぁ。
「………。」
あ、私の気配がしたからかな、あれは完璧に起きたと見た。
『雪音せーんぱい。』
「…何、ゆき。」
ムクリと起き上がる、雪音先輩。
相変わらずの無表情。
『やっぱり起きてた。』
「さっきまでは寝てた。」
『私が先輩を見つけた時にはもう起きてたね。気配には敏感なんだよね、雪音先輩は。』
「……写真は。」
『持ってる持ってる。…ハイ。』
「ありがとう。…ハイ。」
『いつも持ってるキャラメルだ。』
「うん。」
『…たまには色々とちゃんと食べないと、死んじゃうよ?』
「大丈夫。死なないから。」
『今度秋に言って家に運んでもらおうね。』
雪音先輩を。
「……。」
『あ、寝ちゃった。』
正確には多分寝たフリだけど。
ハァ…せっかくなので古校舎を散策しますか。
木造だからなのかな、なんかタイムスリップした気分。
大分古めかしい。そして趣がある。
『……色々湧くなぁ…。』
そう、例えば_______。