アーティスティックな男の子。
ガラガラガラ
『よっし、そろそろ来る頃…』
「きゃー!可愛い!!」
「お肌ツルツルねぇ。」
「あ、これ似合うんじゃなーい?」
教室の中心部に何やら人集り。
『…おやおや。弄ばれてますねぇ。』
にやにや。
「っ…!」
女子に不慣れなんだな、きっと。
どうすればいいかわかんなくなって固まってる。
「あ、ゆき〜!」
『やほー、みんな何して遊んでんのー?私もいーれて☆』
「ゆき!!!」
『あーあー、可愛くなっちゃって。良かったね、ハルくん。歳上のお姉さん達、綺麗で可愛いしょ?』
「っ!」
『とまあ、ウブなハルくんをそろそろ解放したげて。真っ赤になって死にそう。』
「死なねーよ!」
「可愛い後輩くんが来たもんだからぁ、ね?」
「うふふ、つっついただけで赤くなるんだもん。」
「可愛いよねぇ。」
『まあまあ、またいつか貸してあげるから。』
「っ!!!」
『とりあえず、私ら先生に呼ばれてるらしいので、行ってくる。』
「え、何すんのー?」
『詳しくは今から聞いてくるのだよ。けど、映像学科の和田っちが私らを呼んでるから、まあ映像関係なのは確か。』
「そう言えばこの子、何科なの?」
「聞く前に遊んじゃったからねぇ。」
「…総合アーティスト学科、です…。」
「あ、そうなのー?」
「え!私も総合アーティスト学科!」
「えー!いいなあ!!」
『ちょ、お前ら落ち着け。女豹になってんぞ。』
「女は全員女豹よ、ゆき。」
「ゆきも頑張って女豹になろうね!」
『頑張って女豹になるものなの…?!』
「…そ、そろそろ…な?」
『分かった分かった。じゃ、また明日ー。』
「「「「「ばいばーい!」」」」」
ガラガラガラ…パタンッ
ジトーッ
『…そんな睨まないで?ね?』
「アンタがもっと早く来てればあんな目には合わなかったんだ…!」
『まあまあ。』
コンコンッ
『失礼しまーす。和田っちいない?』
「葉山、お前…敬語を使え、敬語を。」
『あ、いた。』
「…っす。」
「あー、今からミーティングなんだけど、とりあえずお前ら、俺について来い。説明はその場でする。」
『りょ。』
「はい。」