アーティスティックな男の子。
『…第1ミーティング室じゃん。え、他にも人がいるってこと?』
「まあ、な。」
ガラガラガラ
「全員揃ったかー?」
そこには五人の男子生徒と、一人の女子生徒…って、
「あら、ゆきじゃない。どうしてこんなところにいるの?」
『私が聞きたい!真希ぃぃ!!?海外ドラマの撮影終わったの!?』
「昨日終わったわ。直でこっちに来たの。」
『すげぇ、弾丸ツアーじゃねーか。乙。』
雨取真希アマトリマキ、17歳。
今かなり注目されているモデル兼女優。
「おっそい。俺、そろそろ新作ドレスの生地見に行かなきゃ行けないんだけど。」
「スー…スー…。」
『…瑞希も雪音先輩もいるし、何で?謎メンなんだけどー。真希、何か知ってる?』
「知ってるも何も、ゆき、知らないの?」
『唐突に連れてこられた。』
「あー、とりあえず座れ。」
『はーい。』
「これからこのメンツで、芸術祭超特別枠によるプロモーションビデオ&舞台をやることになりましたー。はい、拍手ー。」
『えっ…!?プロモーションビデオ…?舞台…?!』
「ああ。」
『またいきなり何をしでかそうと…。』
「ゴホンッ…ちなみに学園長の命令だ。」
『…あんのやろー、またやりやがったな…。』
「このメンバーも、直々に学園長がお選びになった。」
『…嫌って言ったら?』
「俺達の首が飛ぶ。」
じゃあ一発殴りに行こーっと。
『でも私、スケジュール的にしんどいんだけど。』
「あら、それを言うなら私もよ?」
「俺もだ。」
「俺帰りたい。」
…誰だ、お前と言いたい。
そして瑞希、少しは我慢したまえ。
『…とりあえず、自己紹介してもらっていい?私、瑞希と雪音先輩と真希は分かるけど、あんまり映像学科の人と関わり合い無いんで。』
「まあそうだな。テキトーにやっとけ。この企画の主任は一応俺になってるけど、お前らで充分出来んだろ。じゃ、また連絡する。」
ガラガラガラ…バタン
『…和田っちってば、面倒くさそうなら断れば良かったのにねぇ。』
「無理よ。この学園は理事長絶対主義だもの。」
『あの人、意外と強めに言えば言うこと聞いてくれるよ?ただ意味も無くへらへら笑ってるだけだから、多分。』
「強く言えないから黙って従ってるんじゃない。」
『それもそうか。』
「理事長をコケにするなんて、私は絶対出来ないわ。まあ、尊敬の対象でもあるしね。」
『ふーん。』