アーティスティックな男の子。
『で、お二人さん。今をときめく女優、俳優は2ヶ月も3ヶ月も予定が詰まってるはず。その上学校に通ってるなんて、計り知れない大変さだよ。過労で死ぬって。』
「今まで両立させてたんだ。大丈夫だろ。」
『とか言って倒られたら、元も子も無い。…まあ、主演を喰えば問題無いでしょ?』
「…そうね、喰えばいいんだわ。」
「主演を喰う勢いでやってやる。」
『ということで桃李先輩、頑張ってくださいねー。』
「…分かった。」
『大丈夫ですよ、桃李先輩。先輩が本気出したら誰にも追いつけませんよ!』
「…どこから来るんだその自信は。」
『社会不適合者な私でも、良いモノを見る目はあるんですよ?』
「…そうか。」
「自覚してるんだな。」
『してるよ!ハルくん!…コホンッ…てことで透先輩。脚本は早めにちゃちゃっと書いてくださいね。和田っちにOK貰ったら即私に連絡してください。かく言う私も予定パンパンに詰め込んでるからね!』
「ゆきは忙しそうに見えないんだけど。」
『こう見えても忙しいよ?!瑞希。』
「サボりに、でしょ。」
『それも一理あるけど!』
「あるのかよ。」
「あ、じゃあゆき、サボり場所教えてくんねー?」
『古校舎はおすすめだよー。誰も近寄ってこないからね。雪音先輩以外。』
「Zzz…。」
『うん、寝てるね!』
「じゃあ脚本が出来次第、校内放送で呼ぶね。」
『はい!…はい?』
校内放送で呼ばれるのね…!
「じゃあ解散、ということで。」
「あ、ゆき。一緒に帰ろう。」
『いいよ、真希。あ、秋が運転手だけど大丈夫?』
「え、何、ゆきって車で送迎されてるの?!羨ましいわ。」
『真希もいるじゃん。』
「それとこれとは別よ。高級車でしかもイケメンに送迎されてるなんて!!羨ましい!」
『うん、とりあえず行こっかー。あ、ハルくんも一緒に帰る?』
「…いや、いい。」
「あら、いいのよ?遠慮しなくても。」
「俺、乗っていい?衣装見に行くのに学校からだと遠いし。」
『お、瑞希。いいよー。』
「よし、これで楽になった。」
『で?ハルくんはー?』
「…分かった。俺も乗る。」
『じゃあ校門の前で待ってるから〜。』
「久しぶりに秋さんに会えるなんて感動モノだわ。」
『ええ、そんなにー?』
アイツはただの一般人だよ?