アーティスティックな男の子。
そうこうしている間に、鏡に映る私は普段とは違う私になっていた。
「…こんなもんか。」
メイク終了のお声がけがあった。
『…誰?』
「「葉山ゆき。」」
『…私か…。』
コンコンッ
『どうぞー。』
ガチャ
「お疲れー。差し入れ持ってきてやったぞー。」
『秋ー!』
「お、綺麗になってんな、ゆき。」
『でしょー?まあ元々が良いからね。』
「そうだな。じゃ、写真撮るぞー。」
『うぇーい。』
カシャッ
『ほら、ハル君と瑞希も。』
「え。」
「ピース。」
カシャッ
「じゃ、またな後でな、ゆき。結城と桜庭も。」
『曲、楽しみにしててね。』
「それはどっちだ?秋月とのコラボ?それともゆきのソロ?それともアレか?」
『もちろん、全部だよ♪』
「はは、そうだな。全部、楽しみにしてるぞ。」
バタンッ
「そういや、結局4曲作ったんだっけ。」
『そうねー、まあホントに1から作曲ってやつは私のソロだけだけど。元々前から土台は作ってあったから。』
「…天才は伊達じゃない、か。」
『そうそう。見直した?瑞希。』
「見直すも何も、ゆきは元から天才でしょ。まあ俺もだけど。」
「自信満々に言い切ったな。」
『ここはそういう人の方が多いよね。まあ天才だって自負してる人は少ないけど、それでも自信を持ってるワケだから。』
「むしろ自信無い人はここには来れないけどね。」
「…そうだな。」
コンコンッ
『はーい。』
ガチャ
「お疲れー☆ゆきちゃん、元気ー?」
『幸樹〜!今回の特設ステージの凄い良いよ〜!』
「でしょでしょー☆ゆきちゃんの要望もしっかり入った上でのデザインだからねー!張り切っちゃった☆」
『さすが幸樹だわ〜。あ、秋から差し入れ貰ったんだけどいる?』
「あ、いるいる〜!」
コンコンッ
『はーい。』
ガチャ
「ちわーっす。」
『あ、珍しい人が来た。』