アーティスティックな男の子。




「お疲れ、ゆきちゃん。今年も制服かと思ったわ。」


『そのつもりだったんだけどね。』


「ダメに決まってんでしょ。」


『とのことだったので。』


「へぇ、面白ぇな。ま、曲楽しみにしてっからさ。」


『寝ないでよー?私大トリなんだから。』


「はは、頑張るわ。あ、そーいや透さんがこれを渡せって。」


『差し入れですね、ありがとうございまーす。…てか透さんて、何、透先輩と仲良いの!?』


「まあ、それなりにな。」


『意外だわ…。』


「そうか?逆に、透さんを知らない映像科はいないと思うけどな。玖音は盆栽仲間だし。」


『…盆栽?』


「そ。意外だよなー。」


「俺も透さんとメル友☆」


「俺も知ってるよ。あの人、意外と有名人だから。」


『幸樹に、瑞希まで…。』


「ゆきは素行が悪くて有名だけど、あの人は人柄も良いし、良い脚本書くことで有名だし。」


『私のところは絶対いらなかったじゃん。何で引き合いに出したの。』


「ま、そういう事だな。ま、頑張れ。」


『何で今応援されたの!!』


「ははっ、じゃあな、ゆきちゃん。」


「じゃ、俺も行こっと!またね、ゆきちゃん☆」


『またねー、尚斗、幸樹。』


バタンッ


「じゃ、俺もそろそろ行くから。本番直前になったらまた来るけど。」


「俺も。」


『そ?じゃ、また後でね。瑞希、ハル君。』


バタンッ


『…ふー…。』


4曲…か。かなりキッツイ。


1曲目は、雨月アマツキ。


2曲目は、花鳥ハナトリ。


3曲目は、風雫カザシズク。


4曲目は、花紫ハナムラサキ。


幻想的且つ、強く、優しい曲達。


柊の声とも合わさって、更に良くなった。


作曲、編曲は私、作詞は柊。


『あー、早くみんなに聞いて欲しいなぁ。』


…さてさて。


そろそろ移動しますか。


コンコンッ


『ん?はーい。』


ガチャ


「こんにちは♪」


『…わー理事長先生、こんにちはー(棒読み)。』


「ふふ、熱烈な歓迎ありがとう。」


『歓迎してない。』


「ふふふ。はい、差し入れ♪」


『わーい!理事長先生の差し入れは絶対美味しいからなー。』


「喜んでもらえて嬉しいよ。…ところで…。」


『ん?』


「ドレス、とてもよく似合っているね。」


『へへ、ありがとう。色気あるでしょ?』


色気のあるポーズをとる私。


「…そうだね。」


『何その間は。』



< 37 / 82 >

この作品をシェア

pagetop