アーティスティックな男の子。
「お疲れ、ゆきちゃん。今年も制服かと思ったわ。」
『そのつもりだったんだけどね。』
「ダメに決まってんでしょ。」
『とのことだったので。』
「へぇ、面白ぇな。ま、曲楽しみにしてっからさ。」
『寝ないでよー?私大トリなんだから。』
「はは、頑張るわ。あ、そーいや透さんがこれを渡せって。」
『差し入れですね、ありがとうございまーす。…てか透さんて、何、透先輩と仲良いの!?』
「まあ、それなりにな。」
『意外だわ…。』
「そうか?逆に、透さんを知らない映像科はいないと思うけどな。玖音は盆栽仲間だし。」
『…盆栽?』
「そ。意外だよなー。」
「俺も透さんとメル友☆」
「俺も知ってるよ。あの人、意外と有名人だから。」
『幸樹に、瑞希まで…。』
「ゆきは素行が悪くて有名だけど、あの人は人柄も良いし、良い脚本書くことで有名だし。」
『私のところは絶対いらなかったじゃん。何で引き合いに出したの。』
「ま、そういう事だな。ま、頑張れ。」
『何で今応援されたの!!』
「ははっ、じゃあな、ゆきちゃん。」
「じゃ、俺も行こっと!またね、ゆきちゃん☆」
『またねー、尚斗、幸樹。』
バタンッ
「じゃ、俺もそろそろ行くから。本番直前になったらまた来るけど。」
「俺も。」
『そ?じゃ、また後でね。瑞希、ハル君。』
バタンッ
『…ふー…。』
4曲…か。かなりキッツイ。
1曲目は、雨月アマツキ。
2曲目は、花鳥ハナトリ。
3曲目は、風雫カザシズク。
4曲目は、花紫ハナムラサキ。
幻想的且つ、強く、優しい曲達。
柊の声とも合わさって、更に良くなった。
作曲、編曲は私、作詞は柊。
『あー、早くみんなに聞いて欲しいなぁ。』
…さてさて。
そろそろ移動しますか。
コンコンッ
『ん?はーい。』
ガチャ
「こんにちは♪」
『…わー理事長先生、こんにちはー(棒読み)。』
「ふふ、熱烈な歓迎ありがとう。」
『歓迎してない。』
「ふふふ。はい、差し入れ♪」
『わーい!理事長先生の差し入れは絶対美味しいからなー。』
「喜んでもらえて嬉しいよ。…ところで…。」
『ん?』
「ドレス、とてもよく似合っているね。」
『へへ、ありがとう。色気あるでしょ?』
色気のあるポーズをとる私。
「…そうだね。」
『何その間は。』