アーティスティックな男の子。
『君たちは今何してるの?』
「え、えっと、受付です!」
『受付か!…暇だね。』
「…あはは。」
「暇ですね!」
『でもそろそろ休憩挟むよね。』
「はい!なので、先輩。早く楽屋に戻ってくださいね。」
『うーん、善処する。』
「…あ、あの!」
『うん?なーに?』
「葉山ゆき先輩ですよね…!あの、私も作曲科で…。」
『同じ学科だね!ふふ、よろしくね。』
「は、はい…!」
『作曲科って色々と難しいよね。』
「は、はい。何とかついてっている状態で…。」
『うんうん。最初は大変だよね。音楽理論とか凄い難しいよね。曲を作るのも大変だしね。』
「は、はい。」
『だけどね、そこまで焦らなくても大丈夫だよ。最初はみんなついて行くだけでへとへとだからね。かく言う私もそうだった…。』
「せ、先輩が、ですか?」
『意外でしょー?まあ私の場合は…ゴニョゴニョ…。』
私の場合は一般科目に手間取ってた…なんて言えない。言えない。
「?」
『ま、まあ、とにかく、作曲も音楽理論も繰り返しやることが大切だよ。もちろん、これは全員に言えることだけどね。』
「「「が、頑張ります!」」」
『ふふ、よろしい。』
「これより、20分間の休憩とさせて頂きます。」
『あ、休憩時間か。』
「せ、先輩!!早く楽屋に戻ってください!」
「急いでください!怒られます!」
「「「「「私(俺)たちが!」」」」」
『あはは、大丈夫だよ〜。ちょっとくらい楽屋抜け出したからっt』
「コラー!葉山ー!何でお前がそこにいるんだー!」
『げ、クマさん。…やっほー!』
「やっほー、じゃない!!開き直るな!!楽屋に戻れ!!」
『えぇ…。てか何で真っ先にクマさんが会場から出てくるの?』
「楽屋に戻れ、葉山。保護者呼ぶぞ。」
「もういますよ〜。」
「…本当に、どうにかしてくれ。お前の妹を。」
「すいませんね、ホント。」
『…そういや、ちゃんと理事長先生いた?クマさん。』
「…途中からな。」
嫌な予感、みたいな顔してる。
『あの人私の楽屋にずっと入り浸ってたよ。』
「何!?」
『私のリハが始まる前から居た。』
「…ッッ理事長ォォォ!!!!!!」
『…ふっふっふ…こってり絞られるといいさ。』
「とりあえずお前は楽屋に戻れ。」
『うえぇ…あと1時間も…?』
「モニターあるだろ?それ見とけよ。」
『えぇ…。』
「それかダチん所の楽屋にでm」
『いいねそれ!!突撃楽屋訪問!!いいねいいね!行ってくるー!』
今、やっちまったみたいな顔している秋。
「ッオイ!やめとけ!!!」
『ひゃっふ〜!!』
「ドレス着てんだからもっとお淑やかに行け!…ったく、女子力の欠片も無いな。」
「同感です、熊谷先生。ドレスの裾掴んでダッシュで行くとか…ホント何処の山猿って感じですよね。」
「…お前の妹なんだから。」
「はは、すみません。」