アーティスティックな男の子。
幕は下がった。
『……。』
「ヤバい、感動した。」
「すっげー…。」
「葉山ゆきの名はダテじゃないな。」
パンパンッ
「ほら、みんな。アレ、準備するよー。」
「あ、そっか!」
「やべー、急がねぇと。」
「音響確認してきます!」
『……。』
「オイ、ゆき。袖に一旦戻るんだろ。」
『…あ、うん。』
ガクッ
『っ…!』
「っ…と、危ね。…大丈夫か?」
『…ああ、うん。大丈夫大丈夫。なんせこの後特別なライブが始まるからね!!』
「ああ、そうだな。」
『…ちょっと、腕借りていい?』
「…ああ。」
『袖に戻ったら私は近くの椅子に座ってるから、後は任せたよ。』
「おう。」
『ふふふ、これからが本番だぜー!』
その前に私は休憩っと。
音楽会はコンクールのように授賞式がある。
音楽会に出た人の中で学年ごとに最優秀賞、優秀賞、入賞と3つのトロフィーと、特別賞が授けられる。
審査員の方々が審議をしている間は時間がある。
その時間は《特別枠》と言って、
特別に団体や個人がエントリーしてパフォーマンスを披露する。
外から有名な人を呼んでも良いらしい。
去年は超有名なブラスバンドが公演していった。
その他、演劇やダンス、歌手やアイドル、ソプラノ歌手や、ファッショショー、学内の部活動などもやってたらしい。
去年は何が来るのか分からなかったからワクワクして待ってたけど、
今年は企画側。
ふふ、みんなの驚く顔が楽しみだな〜♪
「ステージ上は準備完了です!」
「照明や音響も問題ありません!」
「御本人様もスタンバイOKです!」
『よし、じゃあ私は舞台に上がります。私が座ったら幕開けです。』
「了解でーす。」
『…ごめん、誰か腕貸して。』
「あ、じゃあ」
「ゆき、掴まって。」
「……。」
『あ、瑞希。向こうはいいの?』
「全然大丈夫。ゆきとは違うから。」
『そ、その節は本当に申し訳ありません。』