アーティスティックな男の子。







夏休みに入って、一週間。


『ッ作曲が!!終わらないッッ!!』


ううううううう!!!!


とある人への楽曲提供、とあるアイドルへの楽曲提供、ドラマで使う曲、夏休みの課題、PVの曲、舞台で使う曲…。


「お前は一気に引き受け過ぎなんだよ。」


『うう…。』


「ほら、打ち合わせ行くぞ。」


『行きたくなーい!!』


「行かないと曲が作れないだろ。」


『うう…。』


私立藤嶺芸術大学附属高等学校の生徒は、


必ず藤嶺大学の芸能事務所に所属することになっている。


大半が理事長が取締役社長である芸能事務所やその配下に入っている。


私は芸能事務所には在籍していない。


私はとある事情により、理事長の直接的配下にいる。


けど、あんまり彼は私に仕事をくれない。


だから自ら貰いに行ってるんだけど〜…。


『…うん、たまにはない日もあっていいよね!!』


ちょっと現実逃避。


「今日は打ち合わせだけだろ。」


『そうだけどさー…。』

「駄々こねてないで行くぞ。」

『うげーん。』

「ほぼ身内なんだから大丈夫だろ。」

『…そうだねぇ。…よし、張り切って行くぞ…!!』






『ふぃー、着いた。』


「相変わらずデカイな。」


『それな。目の前にどーん。』


大手芸能事務所、キクカワ。


「おはようございます。」


『おはようございます。』
「おはようございます。」


『葉山です。』


「葉山様ですね。少々お待ちください。…13:30、21階の第2会議室での打ち合わせですね。ではこちらをどうぞ。」


『ありがとうございます。お疲れ様です。』





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