アーティスティックな男の子。
『テーマとかある?何かイメージでもいいんだけど。』
「カッコイイ俺を魅せたい!」
「いや単純か。」
『自画自賛か。』
「でも事実だし。」
『そうだね。』
「そうだな。」
『じゃ、本格的に考えるとして。作詞作曲編曲が私でいいんだよね?』
「ああ。本当は作詞、してみたかったけど俺じゃあまた無理だし。」
『賢明です。』
「でもこの前の筆記試験の現代文、64点だったけどな。」
「ゆき…お前な…。」
そんな目で見ないで!!
『でっ、でも作詞は何回も何十回もやってきてるし!!』
「何回か断られてるくせに。」
『オイ、秋…余計なこと言うなよ??』
「…な、なあ秋兄。」
「俺は嫌だぞ。」
「まだ何も言って無ぇよ…。」
「どうせ俺に作詞頼むんだろ。」
「だって秋兄なら大学時代に作詞してただろ!!」
「俺はもう現役じゃねぇし。普通の保健医だし。」
「でもライブしたんだろ!!」
「無理。」
『よし!じゃあ私が!』
「ゆきは作曲!!」
『えー。』
「えー、じゃない!!!」
「俺もやだー。」
「やだー、じゃない!!作詞をしてくれ!秋兄!!」
『ぶー…。』
「…しゃーねぇな。1回だけだからな。」
「ホント!?」
「本当に1回だけだからな!?従兄弟のよしみでやるんだからな!!?」
「やったー!これで歌手活動も安泰だぁぁぁ!!!」
『いや安泰かどうかは今後次第だよ。』
「そうだぞ。何処に安心があるんだよ。これからだろ。」
「いやいや。天才兄妹が何言ってんだよ。」
『「天才なのは認める。」』
「うるせえ。ムカつくからやめろ。」
『じゃあまあ、うん、打ち合わせ、続けよう?私が作曲で、秋が作詞で、恭介が歌うんでいいんだよね。』
「ああ。」
『で、テーマは結局なんだっけ。』
「カッコイイ俺を魅せたい。」
『うん、茶番はおしまいにしようか。』
「茶番じゃねーし!本音だし!」
『資料によると?ドラマの主題歌をやるそうで。』
「あ?んだよ、先に言っとけよそれ。結構重要じゃねーか。」