アーティスティックな男の子。
「…うん、いいかもしれない。普段は明るく元気な彼だけど、二胡を弾くときは繊細で艶やか…。」
『…ギャップ萌えだ…。』
「…ギャップ萌えかは知らないけど、いいと思う。」
「これは新しく追加だね!桃李、いい案を思いつくなあ。」
「…別に、俺が言わなくても透や葉山は気付いただろ。」
「そうかな?」
『まあとにかく、10月までには絶対に送ります!』
「うん、よろしくね、ゆきさん。」
『はい!!んじゃあ、今日のところはもう解散かな。』
「そうだね。」
「…あ、そーいや真柴。」
「…はい?」
「お前、今度ドラマやるだろ。」
「…どれですか。」
『“キミコイ”!あの主題歌の作曲私やるんですよ〜。ちなみに、作詞は秋です。』
「…そうですか。」
『…反応薄くない?』
「充分驚いてるよ、桃李は。表情に出にくいんだよね。」
「…ああ。」
『…さすが幼馴染…。』
絆が垣間見得る。
「…なあ、それ、メイクのバイト募集とかしてねぇの。」
『してないと思うけど…。』
「…だよな。」
『…ふむ…聞いてみようか?』
「…いや、大丈夫。」
『そう?』
「……。」
『使えるコネは使った方がいいと思うんだよねぇ。良い事なら尚更。』
「…やっぱ、よろしく。」
『よしよし。錦監督に聞いてみるね。』
「…ありがと。」
『ん”ー!!可”愛”い”!!!』
照れ尊い。尊い!!
思わず抱きつく私。
「〜〜〜ッ!?!?」
『尊い!!!!!』
「ッゆき、やめろ。死にそうになってる、結城が。」
『へ?』
「チーーン」
『あ、死んだ。そう言えばこの子、ウブなんだった。』
「だ、大丈夫…?」
『大丈夫ですよ、透先輩。すぐ復活しますって。』
「…いきなり抱きつくな。」
『すまんすまん。尊かったもんだから、つい。』
「ハァァ…。」
『あ、ところで透先輩、桃李先輩。8月の3週目、空けといてくださいね!』
「え?」
『まるまる一週間ですよ!』
「え、なn」
『それじゃ!私、帰りまーす!レコスタだから鍵はかけなくて大丈夫だからね!』
「「ばいばーい!」」
「またねー、ゆき。」
『ほいさ!』
バタンッ
「…何だったんだろう。」
「…いつも唐突ですよね。俺もさっき言われました。」
「…。」