アーティスティックな男の子。
『…私、目立ちます?(小声)』
「そうだねぇ、凄く目立つねぇ(小声)」
やっぱそうだよねー。
「今のゆきちゃん、多分何やってる人か分かってないと思うよ〜?まあ大方女優とか思ってると思う(小声)」
『え、そうなんですか?(小声)』
「多分ねぇ。まあ、後々挨拶するから分かると思うよぉ(小声)」
『ですよねぇ(小声)』
コンコンッ
ガチャ
「すいません、失礼します。」
ザワザワッ
「誰だあのイケメン。」
「レギュラーメンバーか?」
「え!澄空秋じゃん!?」
…俳優にイケメンって言われてるよ…。
すげぇよ、秋…。
そしてあそこら辺は多分、藤嶺の人だな…。
「ゆき。資料忘れてただろ。」
『え。…え!?危な!!助かった、秋!』
「ホント、危ねぇな。」
「…あ、秋君…なの…?!」
「秋兄!」
「あ、安田さん。ご無沙汰してます。」
「うわー!高校生の時より更にイケメンに磨きが〜!!」
「ははは、ありがとうございます。」
「…これが一般人なんて勿体ない…!!!」
そしてまた周りがざわめきだす。
『あ、今回は秋も作詞として参加するんですよ。』
「え!!!」
『あ、まあ、はい。無理矢理、恭介が。』
「ぐ…何も言えない。」
「うわー、そっかそっか…!あ、そう言えば音楽会見たよ〜!」
『「げ。」』
「凄かったよ〜!相変わらずの天才兄妹だよねぇ。」
『…どこまで広がってんだろう、アレ。』
「…まだ売られてないんだって…。」
『…理事長絞める。』
「いや、逆に喜ぶだろ。」
「あ、じゃあ作詞やるなら秋君も打ち合わせに入ればいいんじゃない?」
「いやいや、俺は…。」
ガチャ
「みんな、揃ってるk……ゆきちゃん!!秋君!!!」
『あ、錦さん、お久しぶりです…ってどうしたんですか!!』
崩れるように床に倒れた錦さん。
「だ、大丈夫ですか、錦さん。」
「…よくここまで育ってくれたな…おじさん感動して召されそう…。」
「あー、分かりますよぉ、錦さん。でもこれから打ち合わせなんですよ〜?」
「…そうだった…。」