アーティスティックな男の子。
『…アレ、ここ衣服室じゃん。』
ガラガラガラ
「あー、やっと来た。おっそ。」
そこにはワンピース姿の可愛い女の子がいた。
「いいじゃねーか。モデル連れてきたし。」
「モデル…って、もしかしてこの女…?」
『…あ、どーも…ってえ!?モデル!?モデルって何!!?』
「え、なんも説明してないワケ?」
「いや説明したら絶対何がなんでも帰るだろ。」
「そう?」
『え?え?てか誰?』
「オレは桜庭 瑞希 サクラバ ミズキ。一応、アンタと同じ学年。」
『…女の子の一人称が“オレ”って珍しいね。』
「は?オレ男だけど。」
『うん、ですよね??あ、私は…』
「知ってる。葉山ゆきでしょ。有名だよ。」
『…え、有名なの?』
「だってアンタ、この前授業に乱入してきたし。」
『あ、そうだっけ?』
「あと、授業もサボりっぱなしで極度のゲーヲタ。」
『否定はしないね。つーことでゲームしたいから帰っていい?』
「ダメ。アンタはオレのモデルになってもらうから。」
『えええ…。』
「大丈夫。可愛くしてあげるから。」
『…これ絶対時間かかるやつじゃん…。』
「とりあえずスリーサイズ測るから。」
『えっっ…。』
男の子(女装)にスリーサイズを計られる…!?
気が動転してる間に計られた模様。
「…顔良し、体型よし。…やっぱ肌がね。」
「必死に改善しようとしてる最中だ。」
『…ゲームしたい…。』
「はい、もういいよ。じゃ、とりあえずそこ座って。」
『…え?…あ、ああ…。座って何すりゃいーの。』
「じっとしてて。ゲームしてていいから。」
『マジで!』
よっしゃー!ゲームすんぞー!
そうして約二時間が経過。
その間、私は凄く搾り取られた。
「じっとしてろって言ってんでしょ。」
「アンタのその顔にフリルは無い。カワイイ系は全く似合わない。その顔だと。」
「いい加減にしないとそのゲーム機ぶっ壊すよ?」
「…マジでいい加減にして。もっと静かにしてよ。犬でさえ静かに出来んのになんでアンタは出来ないワケ??犬以下だよね。ホンットにポンコツだよね。」
…ハル君と同じくらい毒舌だと言うことが判明。
つか犬を侮辱しちゃならんだろ…。
『…もう帰りたい。落ち着いてゲームしたい。』