アーティスティックな男の子。
「?」
「理事長のことだ。」
「ああ、そういう事か。」
『うん?そういう事か、とは一体?うん?何を知っているんですかね?先輩。』
「志貴は、僕の叔父さん。」
叔父…?!あの人とこの子が…!?
つかまず重要なことを…。
『へ、変なこと聞いてない…よね?』
「うん。大丈夫。」
『ホッ…良かっ』
「ゆきが好きすぎて部屋中に写真貼ってるなんて言ってないからね。」
『え』
「ゆきが好きすぎていつも財布の中にゆきの小さい時の写真が入ってるなんて言ってないからね。」
『えっちょ』
「ゆきが好きすぎて毎日のように友人に自慢してるなんて言ってないからね。」
『……。』
「この前の音楽会のビデオを芸能界の知り合い全員に一斉送信したなんて一言も言ってないからね。」
まさかの、私の変な話じゃなくてアイツの変な話を聞いてしまった。
『〜〜ッッアイツ絶対ぶっ殺すッッ!!!』
殺意が湧きました☆
「お、落ち着いて、ゆきさん。」
「その凶器(楽譜立て)を今すぐ置け。」
「…ゆき?どうしたの?」
『…悪気が無さそうなのがまた…!誰かさんに似てる!!憎きアイツに似てる…!』
「?」
『可愛い(即答)。』
「っわ…。」
犬のように撫で回した。
『あ、そう言えば、この部屋に何か用があった?あ、もしかしてピアノ弾きたい?』
「…ううん。」
『?そっか。じゃあまだ弾いてても大丈夫かな。』
「時間的にあと二時間は出来るよ。」
『じゃあ二時間経ったら呼んでくださいね、透先輩。』
「分かったよ。音夢君はどうする?」
「…僕はここにいる。」
「そっか。じゃあ僕達はまた戻ろうか。」
「ああ。」
バタンッ
『…えーと、音夢君。』
「…何?」
『暇になっちゃわない?大丈夫?』
「うん。」
『ならいいんだけども。』
…遠慮なく弾くか。