アーティスティックな男の子。
カランカラン
『こんにちは〜。』
「いらっしゃいませー。」
「この服可愛くない?」
「いいわね。瑞希君にも似合うわ。」
「そう?」
「…ッなんで俺達も!?」
『はいはい、騒がなーい騒がなーい。玖音もほら、向こうに男性モノの服あるよー。見てくれば?』
「俺はいい。」
『えー!じゃあ私が選んであげるよ!んー、ほら!これとかよくない!?』
「…お前どんなセンスしてるんだよ。」
「これはありえない。」
「右に同意よ。」
『なんで!!いいじゃん!!この吐血くま!!可愛いじゃん!!』
「可愛くない。ありえない。」
「なんで俺なんだよ。お前が着ろよ。つかこれレディースじゃねーか!」
『メンズもあるよ!!お揃いで着よう!玖音!』
「着ねぇよ!!」
「騒がしいです。少し静かにしてくれませんか。」
『じゃあ柊、着る?』
「着ません。」
『えええぇぇ…。じゃあ尚斗…。』
「着ねぇよ。もっとマシなやつあるだろ。…あー、これとか、あとこれ。ほら、さっさと試着して来い。これは回収な。」
『なんか追い出された気分。いってきまーす…。』
「ついでにこれとこれ…あとこの靴も。」
「それが終わったらこのワンピース着てみて。絶対似合うから。」
『なんか増えた。そして向こうに服を持っている男性陣が。』
うずうずしてるのは何故。
にしても尚斗、センスいいな!
普通に女の子らしい可愛い服を持ってきた。
瑞希も可愛らしい女の子らしい…けどちょっと種類が違うような?
真希は綺麗て清楚なの服を持ってきた。
というかこの店、凄い雰囲気がいい。
なんか、可愛い。
パステルカラーの、明るく可愛らしいお店。
だからこんな可愛い服が…。素晴らしいね!
…だがしかし、こういう服は久しぶりに着る。
ほとんど制服だからなぁ。
打ち合わせとか仕事の時も基本、制服だし。
遊びに行くときも…制服だ!?
あれ?!そう言えば私服あんまり持ってないかも…。
北海道に行ったときは、秋が選んで買ってきたものだし…。
『…おお、我ながら似合ってる。さっすが私。おーい、尚斗ー。』
試着室のカーテンからのぞき込むように、尚斗を呼ぶ。