1コインでサイダーを、
「平野と間取り持つの、協力してくんね?」
どうしていつも
悪い予想だけは当たってしまうんだろう
私は
頭の中が真っ白になった
今目の前にいる佐藤くんの姿も
すぐそばに聴こえる彼の優しく響く声色も
全て嘘になればいいのに
「......だめ、かな?」
遠慮がちに聞く佐藤くんの顔は
不安げで
哀しそうで
私は
彼のそんな顔を見たくなくて
「いい、よ」
なんて
気づいた時にはもう
ほっと一安心する彼の姿が
私の視界を覆っていた。