1コインでサイダーを、

それからというもの


佐藤くんは度々私の席にやって来るようになった






「窪川ー英語の宿題やった?」


「窪川、昨日のドラマ最後ヤバかったよな」


「ちょっと消しゴム貸して」






他愛もない会話で

話しかけるのは必ず彼からで









嬉しかった

毎朝ついてる彼の寝癖も

彼が呼ぶ窪川って苗字も



私はどんどん好きになっていた























このまま私のことを好きになってくれたりしないだろうか

ゆきじゃなくて
私を

私のことだけを見てくれはしないだろうか



なんて
空に呟いてみたり。


< 7 / 30 >

この作品をシェア

pagetop