せんせい。
リノの家からわたしのうちは
20分くらい一本道で道案内は特にない。

車の中には、リノが選曲したバラードの音だけ流れていた。

「先生?」
「ん?」
「曲、先生の好きなのに変えていいですか?」
「え?和田の好きなの流していいぞ?」
「いえ、先生の好きなのがいいんです。」
「、、そうか?」
「はい」
わたしはお気に入りリストを再生した。
先生の好きなことを少しでも知りたい。
そう思った。

「この歌知ってるか?」
「初めて聞きました。」

「そうだよな。俺たちの世代に流行った歌とか知らないよな〜」
先生が言った言葉に少し壁を感じてムキになる。

「そんなことないです、知ってるの歌もあります。」
「そうか?」
「世代とか関係ないもん!」
「、はは、そんな怒るなよ。笑」

「、何で壁作るんですか?」
「そんなつもりないよ、」

「好きになられたら困るからですか?」

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