孤独な神官はど田舎娘に愛を乞う
「大丈夫か?」


鈴英を気遣う声色だったが、鈴英は緊張から答えることができず、ただうなずくだけだった。

「では・・・」

「あ、あの、ちょっと待ってください!!」

「どうした?」

「あ、あの私、まだ処女のままなんです!!」

そう、鈴英は結局自分で処女を散らすことは出来なかった。

部屋に沈黙が流れる。


「‥‥‥‥それの何が問題なのだ?」

「え?だって、血で大神官様が穢れるって‥‥‥」

「血?」

首をかしげる大神官を見て、鈴英は大神官が何も知らないことに気が付いた。


「えーっと。あのですね。何というか、始めては血が出るので、それであの大神官様と閨を共にするまでにどうにかしておけって言われてたんですけど‥‥‥」


「どうにかとは?」

「それはちょっと説明できないんですけど。」

さすがに恥ずかしすぎる。


「うむ。それで?」

「結局、どうにもできなかったんです。」

「つまり、このままそなたを抱けば、私がそなたの血で穢れるというわけか。」


「はい。ごめんなさい。」


鈴英は、消えそうな小さい声で謝罪した。下を向いたのでその表情はわからない。膝の上に置かれた手はかすかに震えていた。それをじっと大神官は見ていた。
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