孤独な神官はど田舎娘に愛を乞う
「ふざけんないで!!人のことを何だと思ってんの!!」


静玉の話は、鈴英の常識からは外れすぎて、受け入れられない。ただ、自分の置かれた状況は理解できた。


すると、込み上げてきたのは猛烈な怒りだった。

何の説明も受けず、拒否することもできず、連れて来られ、なぜそんな役目を背負わされなきゃいけないのだ。と。


「そもそも何で私なの??!!!」


「すべては神のお導きにございます。」


そんな言葉で納得できるはずもなかった。それに鈴英には帰らなければならない理由がある。

なぜ自分が選ばれたのか、一人だけ説明できる人間がいる。大神官だ。そして、彼なら今、鈴英が置かれている状況をかえる事ができるはずだ。

なかったことにしてもらおう。鈴英はそう思った。


「大神官様に会わせて。」

「まだ、色々とお教えしなければならないことがございます。」

「とりあえず、大神官様に会わせて。こんな状況で何を言われたって頭に入んない。」


静玉はこれ見よがしにため息をついた。しかし鈴英も譲らない。

「良いでしょう。もともとすぐに大神官様にお会いになる手はずだったのですから。しかし、鈴英様には覚えていただかなくてはならないととが山ほどありますことをお忘れなき用に。」

鈴英はそっぽを向いて返事もしない。


静玉はまたため息をついた。そして内心は舌打ちしたい気分だった。


なぜ、こんな小娘が選ばれたのか・・・静玉のほうが大神官に問いただしたい気分だった。
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