好きになってはいけないんだ。
二年前
あれはほとんど二年前の中学三年生の夏。


私はとんでもないミスをおかしてしまったらしい。


｢瑛人ってさー好きなやつとか居ねえのかよ｡｣


｢え、なんでお前にそんなこと教えなきゃなんないんだよ｡｣


｢そうカリカリするなって｡
俺らだってもうすぐ高校生だぜ？

彼女いない高校生活スタートとか有り得ねぇ。

ってことでさ、他校の女子とさカラオケ行こうぜ。か、ら、お、け｡｣


｢だからぁ、行かないって行ってるだろ。
俺はそういうの苦手なの｡

しかも高校生になってから作っても遅くないだろ。
今急いで作ったって結婚する訳でもないし｡｣


｢ちぇ、瑛人は冷めすぎなんだよーだ｡
モテる男は考えることが違いますなぁ｡｣


そんな会話には混じる訳でもない私は辛うじて教室の中で近くで聞こえる会話を耳に入れてた。


ただそれだけだった。


その日の放課後までは。
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