好きになってはいけないんだ。
「んじゃ、勉強の邪魔して悪かった!!
すぐ帰るからちょっとだけ待っててくれねぇ?
あ、いや待たなくてもいいからさっさと勉強始めてくれ!!俺のせいで点数下がったらたまったもんじゃないよな。」
教室らしい椅子を引いた時のキーという音が響いてガタガタと片付け始める瑛人の姿が目に映る。
「ちょ、ちょっと待って!!」
「ん?」
「どうしたの?」
「え、帰るんだよ?」
「そうじゃなくて!!
どうして泣いてたの?」
「あー、いや…」
「えっと言いたくなかったらいいの!!
でも教室で…泣くってことは吐き出す所がないのかなぁ、なんて…あはは」
やってしまったああああ!!
見てしまった罪悪感からつい口からぽろぽろと!!
「あの!!ほんとにいいの!!
別に見なかったことにするから!!
変なこと言ってごめんね…?」
未だにドアの近くに突っ立っていた私は勉強を再開するために自分の机を目指して進む。