仕事も恋も効率的に?
帰り支度をし、廊下でみちを待つ。
『お待たせしました』
『ん、電気消すぞー』
『はーい』
執務室の鍵をドアに差し、電気を消す。
他課も切り上げたようで、同じフロアも真っ暗だ。
ふいに近づく感覚。
『...すみません...。真っ暗だとあんまり見えなくて...』
あぁ、鳥目だったなみちは、と思い出し、チャンス再来!と自分を奮い立たせる。
『んじゃ手、つなご?』
『なっ...』
半ば強引に手を繋ぎ、執務室の鍵を閉める。
『手冷たいな。大丈夫か?』
『だ、だいじょぶ、です!』
照れてるであろう顔がうっすらしか見えないのが残念だが、ならばもっと傍に寄せたいと思ってしまう。
考え事をしながら鍵を抜いたまではよかったが、そのまま落としてしまう。
『うあ、やべ』
『あらっ』
チャリンっと音がした辺りをみちもしゃがんで拾おうとする。
『どこだ...ちょっとまってな、ライト...』
スマホを探し、照らそうとしたが、みちが見つけたようだ。
『佐川さん、ありました!』
『お、さんきゅ』
と、2人でしゃがんでいたのに、立ち上がった瞬間ゴチっと音を出して頭がぶつかる。
『っ!悪い!大丈夫か?!』
『ったぁ...いえ、佐川さんこそ大丈夫ですか?痛かったでしょ...?怪我してませんか?』
すっと髪を触られる感覚。いいこいいこされるように、前髪付近を撫でられる。擽ったくて、みちから触れてくることに愛しくなる。
そのまま、自分でも不思議なくらい自然に抱きしめていた。
『俺は大丈夫。お前こそ大丈夫だったか?』
『...だ、だいじょぶですっ...!あの...』
『...ん?』
『大丈夫ですから、あの...』
『ずっとこうしたかった...。ずーっと腕の中にいればいいのにって』
『...も、何言ってるんですか、ほんとに...』
頭がパニックになる。
突然抱きしめられて、何が何だか分からない。大人しくこのままでいたいと思う気持ちと、ダメだと思う気持ちがせめぎ合う。
たんたんたんっと、階段を上る足音が聞こえ、ハッとする。
なんとか目の前のイケメンを押し返すと、物凄く不満気な顔と目が合う。
『...いや?』
『...っそーじゃなくって...!』
『まだ誰かいますかー?』
『はっはい、施錠終わったとこですー!すみません!』
完全に引き剥がされて、俺じゃない相手に声をかける。なんなの、さっきからこの警備員...。
『鍵お預かりしますよー』
『すみません、助かります!』
拾い上げていた鍵を渡し、お疲れ様でした、とニコニコしてる。
『気をつけてお帰りくださいね!セキュリティ作動させますね』
『ありがとうございます!お疲れ様でした』
『かえりましょー』
『...ん...』
ムスッとしてしまうが、当然...。
警報がなると困るので、仕方なくエレベーターホールまで向かう。
程なくして開いたドアは光が眩しく、ちらっと見ると、恥ずかしそうに俯いている。
乗り込んでドアが閉じると同時に、壁に寄せ、囲ってしまう。
『...次は逃がさないから』
『はっ、なにを...』
『覚悟しとけよ?』
『...っん...』
耳元で、いつもより低音で囁くと、色っぽい声と顔。ぞくぞくする感覚、オスの俺がこのまま連れて帰りたいという衝動にかられる。
『...ん、みみ、やっ...』
『ん?はぁ...あんまりここでそんな声出すな...。我慢できなくなる...』
1階でございます。
そうだ、エレベーターだった。
このまま乗ってようか、降りてからまたトライするか結構真剣に悩む。
『ほらつきました!かえろ?』
囲っている腕をポンポンと触れながら、照れている顔が可愛い。
『...はぁ、わかった』
そのまま手を繋ぎ、外への玄関へ向かう。
『お待たせしました』
『ん、電気消すぞー』
『はーい』
執務室の鍵をドアに差し、電気を消す。
他課も切り上げたようで、同じフロアも真っ暗だ。
ふいに近づく感覚。
『...すみません...。真っ暗だとあんまり見えなくて...』
あぁ、鳥目だったなみちは、と思い出し、チャンス再来!と自分を奮い立たせる。
『んじゃ手、つなご?』
『なっ...』
半ば強引に手を繋ぎ、執務室の鍵を閉める。
『手冷たいな。大丈夫か?』
『だ、だいじょぶ、です!』
照れてるであろう顔がうっすらしか見えないのが残念だが、ならばもっと傍に寄せたいと思ってしまう。
考え事をしながら鍵を抜いたまではよかったが、そのまま落としてしまう。
『うあ、やべ』
『あらっ』
チャリンっと音がした辺りをみちもしゃがんで拾おうとする。
『どこだ...ちょっとまってな、ライト...』
スマホを探し、照らそうとしたが、みちが見つけたようだ。
『佐川さん、ありました!』
『お、さんきゅ』
と、2人でしゃがんでいたのに、立ち上がった瞬間ゴチっと音を出して頭がぶつかる。
『っ!悪い!大丈夫か?!』
『ったぁ...いえ、佐川さんこそ大丈夫ですか?痛かったでしょ...?怪我してませんか?』
すっと髪を触られる感覚。いいこいいこされるように、前髪付近を撫でられる。擽ったくて、みちから触れてくることに愛しくなる。
そのまま、自分でも不思議なくらい自然に抱きしめていた。
『俺は大丈夫。お前こそ大丈夫だったか?』
『...だ、だいじょぶですっ...!あの...』
『...ん?』
『大丈夫ですから、あの...』
『ずっとこうしたかった...。ずーっと腕の中にいればいいのにって』
『...も、何言ってるんですか、ほんとに...』
頭がパニックになる。
突然抱きしめられて、何が何だか分からない。大人しくこのままでいたいと思う気持ちと、ダメだと思う気持ちがせめぎ合う。
たんたんたんっと、階段を上る足音が聞こえ、ハッとする。
なんとか目の前のイケメンを押し返すと、物凄く不満気な顔と目が合う。
『...いや?』
『...っそーじゃなくって...!』
『まだ誰かいますかー?』
『はっはい、施錠終わったとこですー!すみません!』
完全に引き剥がされて、俺じゃない相手に声をかける。なんなの、さっきからこの警備員...。
『鍵お預かりしますよー』
『すみません、助かります!』
拾い上げていた鍵を渡し、お疲れ様でした、とニコニコしてる。
『気をつけてお帰りくださいね!セキュリティ作動させますね』
『ありがとうございます!お疲れ様でした』
『かえりましょー』
『...ん...』
ムスッとしてしまうが、当然...。
警報がなると困るので、仕方なくエレベーターホールまで向かう。
程なくして開いたドアは光が眩しく、ちらっと見ると、恥ずかしそうに俯いている。
乗り込んでドアが閉じると同時に、壁に寄せ、囲ってしまう。
『...次は逃がさないから』
『はっ、なにを...』
『覚悟しとけよ?』
『...っん...』
耳元で、いつもより低音で囁くと、色っぽい声と顔。ぞくぞくする感覚、オスの俺がこのまま連れて帰りたいという衝動にかられる。
『...ん、みみ、やっ...』
『ん?はぁ...あんまりここでそんな声出すな...。我慢できなくなる...』
1階でございます。
そうだ、エレベーターだった。
このまま乗ってようか、降りてからまたトライするか結構真剣に悩む。
『ほらつきました!かえろ?』
囲っている腕をポンポンと触れながら、照れている顔が可愛い。
『...はぁ、わかった』
そのまま手を繋ぎ、外への玄関へ向かう。