仕事も恋も効率的に?
夜勤の警備員に挨拶をし、外へ出る。
冷たい風が時折吹いていて寒い。
ついさっきまで熱くなっていた体も、多少どころか冷えてくる。
『うわ、さむっ!』
『ほんとにさみーな 笑』
『コート出さなきゃダメですね~、ちょっと薄着できてしまいました』
『さみーだろ。俺の着とけ』
ふわりとジャケットをかけられる。
コウさんの香りがし、先程冷えた体はあっという間に火照りが戻る。
『いいんですか?風邪引きますよ?』
『大丈夫。お前に風邪ひかれる方が困るんでな』
『むー、んじゃ遠慮なく。駐車場までお借りしますね』
腕を通した俺のジャケットは、見た目の手足の長さから丁度だと思ったが、思った以上に細身のみちには少し大きいようだ。これもなんだか擽ったくなる感覚。
道路の段差を気にしながら、ゆっくりめに歩くみち。また繋ぎ直す手は結構自然に出来てしまう。
『大丈夫?』
『うん、大丈夫です。ありがとうございます』
『そこ、段差あるから...!!』
言うが早いか、突っかかってバランスを崩し、繋いだ手がぐんっと引っ張られる。咄嗟に抱きとめる。トンと胸に入るみちをそのまま抱きしめる。
『っごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!大丈夫ですか?!』
『お前が大丈夫か 笑』
『すみませんすみませんすみません...、もう大丈夫です...』
『んな謝んなよ 笑。危なっかしいお姫様だな全く』
笑って話す声が、体を通して響く。
とても心地がいい。もう少しこうしてたいな...なんて思う。次の瞬間、体が浮いて、見ている景色が変わる。
『っ?!!』
『暴れんなよ、橋から2人で落ちちゃうからな 笑』
『な、な、なにをっ...』
『危ないので抱き上げただけだろ?笑』
『いやいやいやいや、とりあえず降ろしてください!!重いしまじ重いし!!』
『全然?いいから大人しくしてろよ?』
『うぅぅ...』
軽々と持ち上がることに驚く。
首にすがる腕に、ストッキング越しだが、すべすべした肌の長い美脚は気持ちがいい。
『ほんとはこのまま連れて帰りたいけど、明日も仕事だから我慢しといてやる...』
耳元でそう言われ、肩に顔を埋めてしまう。爆発しそうなくらい恥ずかしい。
『も、そゆこと軽々と言わないでください、も...』
『なんで?ほんとだけど?』
『佐川さんと違って、そーゆー耐性がないんです!!勘違いしちゃいますからね!』
『な、失礼なやつだな。誰にでもするわけねーだろ!そもそもなんだ、勘違いって。勘違いとかじゃねーよ、お前の感じてること』
『っ、だから、もー!!!あ、駐車場ここ!降ります!!』
『え?あ、あぁ...え?』
なんでこいつこんなに怒ってんの?汗。
お前に惚れてるからだってのに...。
フワリと降ろすと、お疲れ様でした!と反対の道路へ走って行ってしまう。
『...あんまりそーゆー事しないでください...。ほんとに勘違いしちゃう...』
ぼそっと言われたが、引き止めるまもなく車に乗り込んでしまった。
だから、勘違いじゃないっつの。
お前が好きなの。
伝わんねぇなぁ、ったく...。
独り言をいい、ぷいっと車ですれ違うみちを見送り、自分の駐車場まで歩く。
好きなことを認めた俺は、なんとか振り向かせて俺だけのものにしたいという意識しか働いていない。
大人の余裕はどこいったんだ...苦笑。
そんなの考えることも出来ないほど惚れ込んでいることに気が付く。
手に入れたい...。あわよくばそのまま、俺の性にしてしまいたい...。
年のせいか、そこまで見据えてしまうが、そのパートナーとしてもみちにいて欲しいと思う程。
よし、俺の本気はまだまだだぞ。
覚悟しとけよ。
走り去った車の方を見ながら、決意する。
冷たい風が時折吹いていて寒い。
ついさっきまで熱くなっていた体も、多少どころか冷えてくる。
『うわ、さむっ!』
『ほんとにさみーな 笑』
『コート出さなきゃダメですね~、ちょっと薄着できてしまいました』
『さみーだろ。俺の着とけ』
ふわりとジャケットをかけられる。
コウさんの香りがし、先程冷えた体はあっという間に火照りが戻る。
『いいんですか?風邪引きますよ?』
『大丈夫。お前に風邪ひかれる方が困るんでな』
『むー、んじゃ遠慮なく。駐車場までお借りしますね』
腕を通した俺のジャケットは、見た目の手足の長さから丁度だと思ったが、思った以上に細身のみちには少し大きいようだ。これもなんだか擽ったくなる感覚。
道路の段差を気にしながら、ゆっくりめに歩くみち。また繋ぎ直す手は結構自然に出来てしまう。
『大丈夫?』
『うん、大丈夫です。ありがとうございます』
『そこ、段差あるから...!!』
言うが早いか、突っかかってバランスを崩し、繋いだ手がぐんっと引っ張られる。咄嗟に抱きとめる。トンと胸に入るみちをそのまま抱きしめる。
『っごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!大丈夫ですか?!』
『お前が大丈夫か 笑』
『すみませんすみませんすみません...、もう大丈夫です...』
『んな謝んなよ 笑。危なっかしいお姫様だな全く』
笑って話す声が、体を通して響く。
とても心地がいい。もう少しこうしてたいな...なんて思う。次の瞬間、体が浮いて、見ている景色が変わる。
『っ?!!』
『暴れんなよ、橋から2人で落ちちゃうからな 笑』
『な、な、なにをっ...』
『危ないので抱き上げただけだろ?笑』
『いやいやいやいや、とりあえず降ろしてください!!重いしまじ重いし!!』
『全然?いいから大人しくしてろよ?』
『うぅぅ...』
軽々と持ち上がることに驚く。
首にすがる腕に、ストッキング越しだが、すべすべした肌の長い美脚は気持ちがいい。
『ほんとはこのまま連れて帰りたいけど、明日も仕事だから我慢しといてやる...』
耳元でそう言われ、肩に顔を埋めてしまう。爆発しそうなくらい恥ずかしい。
『も、そゆこと軽々と言わないでください、も...』
『なんで?ほんとだけど?』
『佐川さんと違って、そーゆー耐性がないんです!!勘違いしちゃいますからね!』
『な、失礼なやつだな。誰にでもするわけねーだろ!そもそもなんだ、勘違いって。勘違いとかじゃねーよ、お前の感じてること』
『っ、だから、もー!!!あ、駐車場ここ!降ります!!』
『え?あ、あぁ...え?』
なんでこいつこんなに怒ってんの?汗。
お前に惚れてるからだってのに...。
フワリと降ろすと、お疲れ様でした!と反対の道路へ走って行ってしまう。
『...あんまりそーゆー事しないでください...。ほんとに勘違いしちゃう...』
ぼそっと言われたが、引き止めるまもなく車に乗り込んでしまった。
だから、勘違いじゃないっつの。
お前が好きなの。
伝わんねぇなぁ、ったく...。
独り言をいい、ぷいっと車ですれ違うみちを見送り、自分の駐車場まで歩く。
好きなことを認めた俺は、なんとか振り向かせて俺だけのものにしたいという意識しか働いていない。
大人の余裕はどこいったんだ...苦笑。
そんなの考えることも出来ないほど惚れ込んでいることに気が付く。
手に入れたい...。あわよくばそのまま、俺の性にしてしまいたい...。
年のせいか、そこまで見据えてしまうが、そのパートナーとしてもみちにいて欲しいと思う程。
よし、俺の本気はまだまだだぞ。
覚悟しとけよ。
走り去った車の方を見ながら、決意する。