仕事も恋も効率的に?
つれない態度のみちに、ひたすらアプローチして数週間。
全く進展のないままだが、俺からの気持ちは伝えようと必死になる。
タイミングは抜群なのに、気付かないふりをしてるみち。
嫌われてたら...どうしたらいいか...わからない。
みちに合うよう、見た目も少し若めにしてるつもりだし、みちが褒めてくれたものは身につけるようにしてる。なんでもいいからそばに居たい。
でも、仕事のスピードを増して、残業もしなくなって全く二人きりになれない日々が続いていた。
そろそろ限界で...。
そもそも男がいるのかも知らない...。いたら?いた所で気持ちが変わる訳でもない。むしろ...気持ちごと奪い去りたいと思ってる俺がいる...。
ふいに北川さんに声をかけられ、我に返る。
『今日、本田さんシメの仕事あるから残るかもよ』
『え?』
『佐川くん、ふぁいと』
『あっ、うぁぁ、ありがとうございます!』
今日2人になれるかも。
だったら、今日言わないとまたこのままの時間が流れる。
もう一度抱きしめて、好きだと言って、キスしたい...。欲望だけがムクムクと膨らむ。
そんな中、狭山さんにまた声をかけられ、いつも通り話をする。
ふいにみちが入口でチラっとみた目線とぶつかる。
久しぶりに目が合う。それほどみちは俺を見ていないから...。急激に鼓動が早まる。意識を持っていかれる。
声をかけないと、行ってしまう...。声を出そうとした時、狭山さんに腕を掴まれ、これです、と仕事に戻される。
みちにする仕草とは全く違うが、後ろから操作するような形になる。
でも、気になり後ろを見ると、哀しそうな顔だが、気にもとめずに歩き去るみち...。
気になって気になって...。
『これは本田さんと相談した方がいいんじゃないですか?』
思わぬヘルプを出してくれる狭山さん。
『あっ、そう、ですね!ちょっと聞いてきます!』
『本田』
『なんでしょうか?』
パソコンから目を離さずに返事だけする彼女に、少し傷つく。
『この件なんだけど』
『はい、狭山さんがやりやすい方がいいかと』
チラ見しただけでまたパソコンに向かう。
切なくて、俺を見てほしいと気持ちが先走る。
『それは相談して決めないとだめだろ?』
『えぇ、でも、私は狭山さんと佐川さんのご意見でいいと思うので』
思いっきり冷たい返答に、情けないが泣きそうになる。
丁度よくチャイムがなり、今日こそ捕まえると意気込んだ俺だが、早々にみちは帰り支度をする。
『お疲れ様でした』
顔も見ずに言われ、すっと青ざめる。
ほんとに嫌われてるのか...?
結局課内に残されたのは北川さんと俺。
『...仕事終わらせてたのな、残念だったね』
『...まぁ、仕事早いのは知ってますし...。仕方ないですね...』
『...そーいえば、佐川くんが狭山さんと話してる時、たまに本田さんつらそうな顔する時あるよ?気付いてた?』
『え?』
『ほら、よく話してるじゃん、最近。ちょっと寂しそうな顔してるよ?』
『え?!それ...やきもち...とか...思いたい...』
『あるんじゃない?』
『つーか...なんでそんなこと知ってんですか...?』
『え?だって本田さん気になるじゃん?』
『なっ?!!え?!!』
『佐川君だけじゃないかもってことだよ、狙ってるのは 笑』
『なっ、ダメですって!アイツはダメです!絶対譲りませんからね!』
『それは本田さんの気持ち考えないとねぇ?笑』
『っ.....』
気がつくと、俺よりも他のメンバーと楽しそうに話したり、笑い声が聞こえる。俺が傍によると空気が冷たくなり話しかけないでオーラすらみえる。
パタパタと、忘れ物をした狭山さんが戻る。
『あれ?まだいたの?』
『えぇ...』
『あ、本田さんの話?笑』
『そそ 笑』
『結構隠れファンいるみたいだね』
『だから狙いも多いよねって話 笑』
『俺は...それでも...それでも好きです』
たまたま、狭山さんに少し遅れて忘れた傘を取りに来たみちは、狭山さんに向かって告白をする姿を目の当たりにする。
いや、告白した相手は間違いなくみちなのだが、みちの角度からは狭山さんと2人しか見えず...。愕然としながら、取りに戻った傘も忘れて、とぼとぼと戻る。
ぼーっとしながら、入口の喫煙所に向かい、煙を吐く。
いい感じになったんだろうな~。狭山さんはコウさんと歳も近いし、お姉さんタイプだし...。きっといい関係になるんだろうな...。
おめでとうくらい言えるかな...。
勘違いをなんとか線引きしてすごした日々は、無駄にはならなかったなと、寂しい納得をする。うちの課だから、明日にはラブラブぶりが披露されるだろうし...。上手く笑って言えるかな...。
やっぱり好きだったんだよね...。
ポツリと呟くが、土砂降りになった雨の音にかき消された。
全く進展のないままだが、俺からの気持ちは伝えようと必死になる。
タイミングは抜群なのに、気付かないふりをしてるみち。
嫌われてたら...どうしたらいいか...わからない。
みちに合うよう、見た目も少し若めにしてるつもりだし、みちが褒めてくれたものは身につけるようにしてる。なんでもいいからそばに居たい。
でも、仕事のスピードを増して、残業もしなくなって全く二人きりになれない日々が続いていた。
そろそろ限界で...。
そもそも男がいるのかも知らない...。いたら?いた所で気持ちが変わる訳でもない。むしろ...気持ちごと奪い去りたいと思ってる俺がいる...。
ふいに北川さんに声をかけられ、我に返る。
『今日、本田さんシメの仕事あるから残るかもよ』
『え?』
『佐川くん、ふぁいと』
『あっ、うぁぁ、ありがとうございます!』
今日2人になれるかも。
だったら、今日言わないとまたこのままの時間が流れる。
もう一度抱きしめて、好きだと言って、キスしたい...。欲望だけがムクムクと膨らむ。
そんな中、狭山さんにまた声をかけられ、いつも通り話をする。
ふいにみちが入口でチラっとみた目線とぶつかる。
久しぶりに目が合う。それほどみちは俺を見ていないから...。急激に鼓動が早まる。意識を持っていかれる。
声をかけないと、行ってしまう...。声を出そうとした時、狭山さんに腕を掴まれ、これです、と仕事に戻される。
みちにする仕草とは全く違うが、後ろから操作するような形になる。
でも、気になり後ろを見ると、哀しそうな顔だが、気にもとめずに歩き去るみち...。
気になって気になって...。
『これは本田さんと相談した方がいいんじゃないですか?』
思わぬヘルプを出してくれる狭山さん。
『あっ、そう、ですね!ちょっと聞いてきます!』
『本田』
『なんでしょうか?』
パソコンから目を離さずに返事だけする彼女に、少し傷つく。
『この件なんだけど』
『はい、狭山さんがやりやすい方がいいかと』
チラ見しただけでまたパソコンに向かう。
切なくて、俺を見てほしいと気持ちが先走る。
『それは相談して決めないとだめだろ?』
『えぇ、でも、私は狭山さんと佐川さんのご意見でいいと思うので』
思いっきり冷たい返答に、情けないが泣きそうになる。
丁度よくチャイムがなり、今日こそ捕まえると意気込んだ俺だが、早々にみちは帰り支度をする。
『お疲れ様でした』
顔も見ずに言われ、すっと青ざめる。
ほんとに嫌われてるのか...?
結局課内に残されたのは北川さんと俺。
『...仕事終わらせてたのな、残念だったね』
『...まぁ、仕事早いのは知ってますし...。仕方ないですね...』
『...そーいえば、佐川くんが狭山さんと話してる時、たまに本田さんつらそうな顔する時あるよ?気付いてた?』
『え?』
『ほら、よく話してるじゃん、最近。ちょっと寂しそうな顔してるよ?』
『え?!それ...やきもち...とか...思いたい...』
『あるんじゃない?』
『つーか...なんでそんなこと知ってんですか...?』
『え?だって本田さん気になるじゃん?』
『なっ?!!え?!!』
『佐川君だけじゃないかもってことだよ、狙ってるのは 笑』
『なっ、ダメですって!アイツはダメです!絶対譲りませんからね!』
『それは本田さんの気持ち考えないとねぇ?笑』
『っ.....』
気がつくと、俺よりも他のメンバーと楽しそうに話したり、笑い声が聞こえる。俺が傍によると空気が冷たくなり話しかけないでオーラすらみえる。
パタパタと、忘れ物をした狭山さんが戻る。
『あれ?まだいたの?』
『えぇ...』
『あ、本田さんの話?笑』
『そそ 笑』
『結構隠れファンいるみたいだね』
『だから狙いも多いよねって話 笑』
『俺は...それでも...それでも好きです』
たまたま、狭山さんに少し遅れて忘れた傘を取りに来たみちは、狭山さんに向かって告白をする姿を目の当たりにする。
いや、告白した相手は間違いなくみちなのだが、みちの角度からは狭山さんと2人しか見えず...。愕然としながら、取りに戻った傘も忘れて、とぼとぼと戻る。
ぼーっとしながら、入口の喫煙所に向かい、煙を吐く。
いい感じになったんだろうな~。狭山さんはコウさんと歳も近いし、お姉さんタイプだし...。きっといい関係になるんだろうな...。
おめでとうくらい言えるかな...。
勘違いをなんとか線引きしてすごした日々は、無駄にはならなかったなと、寂しい納得をする。うちの課だから、明日にはラブラブぶりが披露されるだろうし...。上手く笑って言えるかな...。
やっぱり好きだったんだよね...。
ポツリと呟くが、土砂降りになった雨の音にかき消された。