Aliceーアリスー




「そっか…。残念だね。あ!あとで差し入れ持って行くよ」

「本当!忘れないでよ?アリス」


2人でクスクス笑い合いながら朝食を取る。
幸せだなぁといつもこういった瞬間にふと感じる。
何気ない日常に幸せを感じられる私は本当にここへ残る選択をしてよかったと心から思った。


*****


この森を少し歩けば帽子屋屋敷に着く。何度も歩いて見慣れてしまった帽子屋屋敷までの道のり。
そう言えばこの森でチェシャ猫に会ったんだよね。

小さな私の上から降ってきた。それがチェシャ猫だった。


「アーリス」


チェシャ猫との出会いのことを考えていたらいつものように木の上からチェシャ猫が降りてきた。


「どこに行くの?俺もついて行くよ」


私の前に立ってニコニコ…いやニヤニヤ笑うチェシャ猫。悪いことを考えているようにしか思えない。いや実際考えているのだろう。何を考えているのかは知らないが。


「帽子屋の所だよ。お茶会のついでに新しい計画の話をしようと思うの」

「えーなになに?やっぱりアリスは楽しいなぁ」


私の話を聞いてチェシャ猫はますます笑みを深める。


「アリスのおかげでこの世界はうーんと楽しくなったし、今回も期待してるよぉ」

「もちろん。期待してて」


楽しそうに笑うチェシャ猫に私も楽しそうに笑った。
今回もきっと楽しい冒険になるはずだ。








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