Aliceーアリスー
「あ、そうだ!ねぇ女王様。聞きたいことがあるんだけど」
「ん?なぁに?アリス」
ふと帽子屋からの頼みを思い出し、女王様にダンジョンと竜の話を私はこの重苦しい空気を少し柔らかくする為にも気分転換ついでに聞いてみることにした。
女王様は私の次の言葉を待つようにこちらをじっと見つめている。
「私、このお城の向こうにある森のダンジョンに行ってそこにいるらしい竜に会ってみたいんだけど何かあの森や竜のことについて知っていることない?」
「え!アリス今度はあの森に行こうと思っているの!?しかも竜に会いたいの!?」
女王様に話をしたはずなのだが反応したのは白ウサギで。とても驚いた様子で、だけどどこか呆れも混ざった様子で私を見る。
「また冒険したいってことだよね?危なすぎる。もうここで生きている生き物たちは僕の管理下にはいない。下手すればアリス死んじゃうかもよ?」
「何をするかわからないから楽しいんでしょ?それにこの世界は同じ1日を繰り返しているよね?そこだけは変えなかったはず」
「…その通りだよ」
「じゃあ私が言いたいこともわかるよね?」
「…傷ついて欲しくない。明日には生き返れても死ぬほど痛いのは確かでしょ」
白ウサギの表情がどんどん曇っていく。何を言っても白ウサギは折れる気はないようだ。
ここで生きるようになって気がついたが白ウサギは私にとても過保護だ。