Aliceーアリスー




それは間違いなく絵本で見たことがある気がするあのキノコ。

やったー!これで多分元のサイズに戻れる!


「で、これの何が面白いのさ」


「面白いのはこれからなの!そのキノコ私に一口ちょうだい!」


「……?わかった」


何が面白いのか訳がわからない様子のチェシャ猫が私に言われるままキノコを小さくちぎって私に手渡す。


これで私は元のサイズに戻るはず。


私はチェシャ猫から受け取ったキノコを口の中に入れた。


シューッ


小さくなった時と同様に謎の音を立てながら私の体はどんどん大きくなっていく。



「え?ええ?」



驚くチェシャ猫をよそに手のひらサイズから元のサイズへどんどんどんどん私は大きくなっていった。



そして……



ドンッ



私の小さな体が大きくなった時、もちろん私を持ちきれなくなってしまったチェシャ猫は驚きのあまりバランスを崩し、その上に馬乗りになるように私は乗ってしまっていた。







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