Aliceーアリスー




でもチェシャ猫はそれを有り得ないものかのような口ぶりで話をしていた。


「チェシャ猫は今何歳なの?」


「え?何それ?」


「じゃあ、質問を変える。今は何時?」


「ん?なんて答えるのが正解なの?」


私の質問をどれも不思議そうに答えるチェシャ猫。

この世界には時間という概念がないの?


「アリス、情報が欲しいなら帽子屋の所へ行けばいいよ」


私の質問攻めが一旦区切られた所で今度はチェシャ猫が私の様子を見かねたように言葉を発し始める。


「あそこはお茶会の会場だからね。この世界の情報ならあそこが一番集まりやすいし、帽子屋は何より頭がいい。俺は帽子屋が話す話が好きなんだ」


チェシャ猫はニンマリと私に笑ってみせ、更に言葉を続けた。


「まだまだ一緒に遊んでいたいけどアリスのこと気に入ったからアリスのやりたいことは協力するよ」


どうやら私はチェシャ猫に気に入られたらしい。

笑顔こそ先程の私で遊んでいる時の背筋が凍るような笑顔だったが、言葉はどう考えても私に協力的言葉だった。







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