Aliceーアリスー
お茶会
チェシャ猫とどこまでも続く森を歩き続けてやって来たのは大きな屋敷のお茶会の会場にされているであろう庭。
今まで歩いてきた森とは違いそこの草木や花たちだけは綺麗に整備されており、整備された庭には白いテーブルクロスがかけられた長い机に座り心地の良さそうな椅子、それから机の上には大量のお菓子が並べられていた。
「うぁ〜」
そこに広がっていた不思議の国のアリスのお茶会の世界に目を奪われて、感動で声を上げてしまう。
絵本で見た世界そのものだ!
「やぁチェシャ猫。先日ぶりかな?」
私たちが庭へ訪れたことに気づいたお洒落で特徴的な帽子屋を被った美青年がこちらへ声をかける。
私たちに話しかけてきたのは身なりからしておそらく私たちが会いに来た帽子屋だろう。
お洒落で特徴的な帽子屋を被っている不思議の国のアリスの登場人物と言えば帽子屋しかいない。
「そうだね。帽子屋」
チェシャ猫の受け答えを聞いて「やっぱり」と心の中で納得する。
彼はやはり帽子屋でしたか。
「で、そちらの可愛らしいお嬢さんはどちら様かな?見かけない顔だけれど」
チェシャ猫とお互いに軽く挨拶を交わした所で帽子屋は今度は私に話を振る。