Aliceーアリスー





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どれくらいお茶をしていたのかわからない。

だけど随分長い時間ここでお喋りをしていた気がする。


「つまりアリスはこことは違う世界から白ウサギを追ってやって来た。だけど白ウサギの行方はわからないし、帰り方もわからないんだね」


「そう、そうなのよ」


私の話を的確にまとめてくれた帽子屋にうんうんと私は力強く頷く。

初めこそのんびりしてられないと思っていたお茶会だったがいざ参加してみると悪くない。

お茶とお菓子は美味しい、何よりも一緒に話をする帽子屋は聞き上手だし、話し上手。

全く飽きることがないのだ。


だからチェシャ猫も好きだと言ったのね。



「それで帽子屋は白ウサギの行方を知っているの?」


「うーん。残念ながら今日は見ていないね」


「そうなんだ……」



帽子屋の言葉を聞いて私はガクンと肩を落とす。

帽子屋でも知らないのか……。








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