Aliceーアリスー
「ブッサイクな寝顔だね」
「……っ!」
私の上にいつの間にかいた白いうさ耳を生やした美少年がバカにしたように私に微笑み、私の頬の涙を拭う。
ゆ、夢だったんだ。
最悪な夢だった。
いや、あれは悪夢だった。
だけどこの美少年が声をかけてくれたおかげで私はあれ以上辛い目に合わずに済んだ。
て。
「ええ!?どちら様!?」
悪夢から目覚めた安堵で少しばかりおどろくタイミングが遅れてしまったが、何故か寝る時にはいなかった美少年の姿に驚きで大きな声が出てしまう。
「アリスの目は節穴ぁ?見てわからないかなぁ?」
そんな私の様子を見て小馬鹿にしたように美少年がこちらを見つめる。
ちなみに未だに美少年の位置は私の上、つまり、寝ている私に股がっている何とも不思議な位置だ。