Aliceーアリスー





「目ぇ、覚めた?」


「あぁ、うん。覚めたよ。最悪の目覚め方だったけど」



数分して落ち着いて、ついでに目も覚めたらしいヤマネと共にこの広いお屋敷の中を共に移動する。


本人曰く目は覚めているらしいがそれでも私から見れば目が開いているだけですっごく眠たそうな顔をしている。

何度もあくびはするし、足取りはとっても重そうだし、いつまた寝始めてしまうのか私は内心ドキドキしていた。


あの先程ヤマネを起こした〝チェシャ猫起床法〟はヤマネにはあまりにも悪すぎるので、もうやりたくないのだ。

私の良心が痛む。



「そう言えば何でアリスは元の世界への帰り方を知りたいの?」


突然、ヤマネが興味があるのかないのか全く感情の読めない無表情で私に問う。



「え?えー、えっと、……ヤマネも1日の終わりには自分の元の家に帰って休みたいでしょ?それと同じで私も休む時くらいは慣れ親しんでいる場所に居たいんだよ」



そんなヤマネの突然の問に戸惑いながらも思ったことを私は口にする。










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