Aliceーアリスー





「アリスが何を考えているのか分からないけど、僕はアリスが好きなことを好きなだけすればいいと思う。アリスがここを好きだと思うならここを帰る場所にすればいいと思うし」


ヤマネが今度は質問攻めではなく、自分の意見を私に伝える。

その言葉は今のどんな私でも肯定するような優しい言葉だった。


「ありがとう、ヤマネ」


優しいヤマネの言葉に心を暖かくしながらも私はお礼を口にする。


楽しいことも大切だけど、その楽しいことと同じくらいに知りたいことが私にはたくさんある。

つい先程まではこの世界への疑問しかなかったはずなのに、今では私自身でさえも疑問の塊だった。


全ての答えはきっと白ウサギが知っているはず。


何の根拠もない考えだったが、何故かこれが当然の答えのように感じずにはいられない。


狂気のクロッケー大会を阻止したあとは必ず白ウサギ捕獲大作戦決行だ。


ヤマネと共に廊下を歩きながら私は本日の予定を黙々と頭の中で立てるのであった。









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