Aliceーアリスー
「お名前は?お嬢さん?」
「ア、アリス……」
「アリス!名前まで愛らしい!」
この状況は何ぞや状態がそのまま続いていく。
楽しそうな女王様とわけがわかってない私。
「アリス!」
困り果てた所で向こうの方から誰かがこちらに声をかけてきた。
誰かではない。
声のする方へ顔を動かせばそこには、
「女王様、本日はお招き頂きありがとうございます。そちらのお嬢さんは私の友人なのです。返して頂けますか?」
と言って涼しい顔をした帽子屋が立っていた。
もちろんその後にはにまにま顔のチェシャ猫に不機嫌そうな三月ウサギ、そんな三月ウサギに担がれているヤマネがいる。
どうやら私がなかなか来ないので引き返してくれたみたいだ。