Aliceーアリスー





「これはこれは帽子屋御一行、よく来てくれたわね。今日は存分に楽しみましょう。そしてアリスは本日より私のもの。貴方のご友人ではもうなくってよ」


帽子屋に視線を向けていると同じく帽子屋に視線を向け、微笑んでいた女王様がスルリと腕を私の腰に回し、私を抱き寄せる。


はい?


「私の可愛い可愛いアリス。さぁこちらへいらっしゃい」


「え?」


女王様に腕を引かれて帽子屋たちの横を通り抜け、真っ直ぐお城へ向かって歩いて行く状況について行けずなすがままな私。


ちなみに私がみんなの横を通る時のみんなのリアクションは完全にスルー。


え、ええ?

ちょっ、連れて行かれてるんですけど?

助けてくれないですか?






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