Aliceーアリスー
そこは無機質な真っ白な部屋。
壁には大小様々な大きさの扉があり、部屋の真ん中にポツンとある小さな机には〝EATME〟と書かれたケーキと液体が入った小瓶。
それからおそらくどれかの扉の鍵があった。
そして後を追いかけて来たはずの白ウサギの姿はそこにはなかった。
「アリスー!!こっちだよー!!」
どこからか微かに白ウサギの声が聞こえる。
「え!?どこ!?」
「ここだよ!!ここ!!この扉の向こうだよ!!」
私が呼びかければまた微かに聞こえる白ウサギの声。
え?どこ?
白ウサギの声が聞こえる扉を見つける為に耳に全神経を注ぐ。
「ここだよ!!アリス!!」